一口に「ツイードジャケット」を仕立てるマテリアルの「ツイード」といっても、その種類は数多い。そのツイードの故郷である英国の中でもツイードを語る上で、最もオーソドックスな分類法が、産地による名称である。中でも「ハリスツイード」「ドネガルツイード」「シェットランドツイード」そして「チェビオットツイード」は、クォリティーの高いホームスパンの4代ツイード生地として世界的に名を知られており、その中でも、「チェビオットツイード」はイングランドとスコットランドの境の産地、チェビオット・ヒルズ産Cheviot Hills(山地名)のCheviot Sheep Woolを原料として織られたスコッチ生地のことを「チェビオットツイード」という。 「スコットランドは丘陵地帯が多く、古い時代は荒蕪不毛の地として蔑まれていた。そこに住む人たちは牧畜を主として農業を営み、山に籠るといった生活をしていた。この丘陵に土着した羊は、強壮で活発な性格をもつもので、その毛質は組剛で野趣に富み表面にもハリがあり柄も大胆で派手なものが多く光沢があるので、ツイードの中でもダントツに色彩がはっきりして、綺麗。「チェビオットツイード」はスコットランドのハイランドに点在する農家の家屋につらなる手織工場で古くから織られている。暖かくハリのあるしっかりとした「ツイードジャケット」を仕立てたいようだったら「チェビオットツイード」を薦める。 |